授乳ライフが軌道に乗ったのもつかの間、日々の育児で忙しくしているとあっという間に「卒乳」という言葉がよぎる瞬間がやってきます。卒乳の時期、いつまで授乳をしてもよいのか、今回はWHOの見解と、それに救われた経験も逆に悩まされた経験もある筆者の経験談を合わせてまとめてみました。
卒乳はいつする?結論!ママと赤ちゃんで決めてOK(WHOも推奨)
卒乳の時期は赤ちゃんの個性や成長スピードに合わせるのが良いとされています。母乳以外の食事(離乳食・補完食)や体調が良好であること、赤ちゃんが授乳を求める回数が減ってきていることなどが目安となります。
また、授乳は栄養補給の手段としてだけでなく、スキンシップの手段になっていたりこの頃にはママも赤ちゃんも授乳が大好きになっていることも考えられるため、お互いの気持ちを考慮して決めることも大切にして良いと思います。
いつまで授乳していいんだろう?卒乳がよぎるタイミング

赤ちゃんの成長を見守る中で、ふとした瞬間に「卒乳」という言葉がよぎったことはありませんか?
「○○までにやめよう」という卒乳計画は上の子のときも下の子のときにも持っていなかったのですが、ふとしたときに頭によぎりました。食べることに意欲が溢れていたり、スプーンやフォークを使うことが上手になっていたり、よく噛んでいる様子なんかを見ているときに感じた覚えがあります。
他には、身近なママ友の卒乳エピソードを耳にしたり、仕事復帰の予定が立った時、自分の体調によって考える機会がありました。
途端に寂しい気持ちも湧いてきて、自分自身も授乳を楽しんでいたんだなと実感した瞬間でもありました。
昔は卒乳=1歳「いつまで授乳してるの!」と急かされることも珍しくない日本の古い文化
8年前、上の子が赤ちゃんの頃はこんな風潮が今より強かったと感じています。
赤ちゃんが1歳を迎えるころになると卒乳にまつわる情報を目にしたり話を耳にすることも増えます。病院から「断乳」についての資料を渡されることもあります。
日本では「離乳食」という言葉が一般的ですが、読んで字のごとく「離乳」に向かう食事という捉え方ですね。
WHOでは「補完食」という言い方をしていることからも、捉え方の大きな違いを感じます。
卒乳はいつする?WHOの見解は2歳!8年前のワタシが救われたガイドライン
卒乳をいつしたらよいのか、WHOがガイドラインを出しています。
2歳まで、もしくはそれ以上の期間の授乳を推奨しています。
ただし、後述しますが2歳まで飲ませないとこどもに害がある、と短絡的に考える必要はありません。推奨する背景など後述します。
WHOのガイドラインのはじめのページに掲載されている文章がこちらです。
母乳は、赤ちゃんにとって最も自然な最初の食事であり、生後6か月
Complementary Feeding Family foods for breastfed children 翻訳版 より
間は母乳だけを与えるべきです。しかしながら、この期間以降は追加の
食事(補完食)が必要となります。子どもがよく発育し、健康を維持する
ためには、どのような食物を、どのくらいの量で、何回与えるかを知るこ
とが重要です。母乳は赤ちゃんにとって、生まれて最初の1年間は主とな
る食事であり、2年目になっても重要な食事です。母乳は、他の食物には
ない独自の感染防御因子を赤ちゃんに与え続けます。

ここでちょっと私の個人的なお話をさせてください。
上の子(現在8歳の女の子)はホントにモーレツなおっぱい星人でした。下の子が産まれてからよりわかりましたが、授乳回数も飲んでいる量も身体の大きな下の子よりはるかに多かったです。
「おっぱい飲んでるか抱っこしてるか」という感じの赤ちゃんライフで、今思うとかなり密着度の高い暮らしでした。生後4カ月から始まった夜泣きは2歳過ぎに卒乳するまで続きましたが、添い乳ですぐに眠ってくれたのでやり過ごすことができました。
そんな超体力勝負な日常を過ごしていましたが、私はこの授乳スタイルや暮らしが楽しいと感じていました。そのため、周りが卒乳・断乳したり、検診のタイミングで勧められたりしても、それをすんなり受け入れることができませんでした。

そんな頃に出合った本がこちら。
母乳の話題はセンシティブです。そのせいか、口コミも少し強めなご意見のものもあり、上記の書籍が伝えようとしている本筋とずれた「母乳なのかミルクなのか」という論争に発展してしまっている口コミもありました。少なくともここではそれは大事ではありません。
母乳で走り続けてきた私と娘でその終わらせ方を決めていいんだ、全然問題も心配もないんだ、という事実です。それを提唱している機関もあるということを知ってほしいと思います。
当時の私はこの本を読み、それをきっかけに少し深掘りしていろいろ調べてみて、自分に受け入れやすい価値観との出会いがとてもうれしかったのを今でも鮮明に覚えています。
「周りに流されずに赤ちゃんと決めていいんだ、自分の身体と相談していいんだ」と。
正しいやり方を探していたわけではなく、なんとなく感じていた違和感を「それでいいんだよ」と肯定してもらえるものに出合えた嬉しさがありました。
ちなみに、娘の授乳は2歳過ぎに終わりを告げました。
私の気持ちの整理ができたこと、娘の食事量が増えたこと、パパ大好きでママと離れる時間も増えてきたことなどがちょうど重なりました。娘が自分でタイミングを呼んだ気がするほど…今となっては悩む必要なかったのかなぁと思うようなばっちりなタイミングで我が家の授乳ライフは幕を閉じました。
卒乳はいつする?WHOのガイドラインは日本語訳があります!
よく「WHOのガイドラインでは~」という内容を記載しているサイトを見掛けますが、実際にガイドラインを読んだことはありますか?
英語のガイドラインに加え、実は日本語に翻訳されているバージョンもあります!
以下にどちらも記載しておきますので、ご興味ありましたら一度のぞいてみるのもよいかもしれません。

2歳まで授乳ができなかった…と落ち込まないでほしいWHOのガイドラインの誤解
WHOのガイドラインを知ると、2歳以上までの授乳が叶わなかった場合にとても不安な気持ちを持つママもいると思います。
しかし、このガイドラインは日本にだけ向けて作られたものではなく世界の諸事情も含めて総合的に記載していると見受けられます。たとえば衛生環境など、日本はとても清潔な国ですが、その点でとても厳しい環境に置かれている国もあります。
食事を摂ることがリスクになりかねないような状況で、なるべく食事を遅らせたい、たとえ微量でも栄養素を摂れるところから摂っておきたい、なるべく安全な方法で摂りたい、と想像してみてください。母乳が出るなら母乳を利用しない理由はない、と思いませんか?
また、母乳の栄養価はやはり優秀だと思いますが、だんだんとその質も赤ちゃんの身体の状況も変化します。だから「補完食」が登場します。
母乳で得られるものもありますが、足りないものもあります。
以下はWHOのガイドライン最後の方に記載されている内容です。
母乳育児を終えること
Complementary Feeding Family foods for breastfed children 翻訳版 より
母乳は1歳以降でも重要な量のエネルギーと栄養素を供給することは、よくご存知でしょう。2歳までに、子どもは、家庭の食物を容易に食べるようになり、病気と栄養失調の危険は少なくなるでしょう。よって母乳育児は、徐々におしまいにすることができます。子どもは、時折まだ母乳を欲しがるかもしれません。例えば、疲れている、混乱している、も
しくは、病気のときなどです。
多くの母親は、自分が妊娠するとただちに母乳育児をやめるべきだと信じています。妊娠をしても、母乳はよいものであり、新しい赤ちゃんを害することもないので、やめる必要はありません 。突然やめることは、感情的に子どもを混乱させるので、徐々に終わることが最も良いでしょう。

私がここから感じたことは、
母乳を与えないとダメなんだよ、2歳まではこどものためになるんだよ、という焦りを抱かせるものではなく、むしろあたたかい優しさと選択の自由です。
「2歳頃までに子どもの身体は強くなるし、食事もだいぶ摂れるようになる。」
「だから、その頃までに離乳できれば大丈夫よ。」
鉄分の不足を補う食事や、食事に食品を足していくことで必要な栄養素が満たされていく様を表したグラフはとても参考になるのでそういうところは取り入れて活用されてみるのがよいかもしれませんね。

卒乳はいつする?まとめ
卒乳に対して悩んだり、モヤモヤすることってありますよね。
今こうして私のブログにたどり着いて読んでくださっているあなたが、こどもの心身の健康を願っていることにすごく共感します。
だから、どうか、あまり気負い過ぎずに、赤ちゃんとのかけがえのない瞬間を大切に過ごしてほしいなと思います。
また、ご自身の身体を大切に、優先にすることもとても大切だと思います。
卒乳の問題は一筋縄ではいかず、いろいろな要素が絡んできますがママと赤ちゃんにとって心地よい選択ができることを願っています。
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