はじめに 〜“砂糖の選び方”を学び直す〜
「白砂糖って身体に悪いの?」「自然派なら黒糖の方が安心?」
そんな疑問を持ったことがあるママも多いのではないでしょうか。
でも実は、どちらの砂糖にもメリットと特徴があり、「砂糖=悪」とは一概に言えないのが現実。大切なのは“違い”を知って、私たちの暮らしや食事スタイルに合うかどうかで選ぶことです。
この記事では、砂糖の基本となる「含蜜糖(がんみつとう)」と「分蜜糖(ぶんみつとう)」の違いを中心に、砂糖との上手な付き合い方をお届けします。
含蜜糖と分蜜糖って?一言でいうと…
まずはシンプルに整理してみましょう。
種類 | 製法の特徴 | 代表的な砂糖 |
---|---|---|
含蜜糖 | 蜜ごと煮詰めて仕上げる | 黒糖、きび糖、てんさい糖 など |
分蜜糖 | 蜜を取り除いて結晶だけを取り出す | 上白糖、グラニュー糖、三温糖 など |
つまり、「蜜ごと食べるかどうか」の違い。
蜜を含むかどうかが、味や栄養、色にも影響してくるのです。
製法の違いを見てみよう

含蜜糖の作り方(黒糖・てんさい糖など)
- サトウキビやてんさいをしぼって汁をとる
- 火にかけて煮詰める
- とろみが出たところで冷まして固める
蜜も結晶もそのまま残した自然な砂糖。風味豊かで、ミネラルも少し残ります。
分蜜糖の作り方(上白糖・グラニュー糖など)
- サトウキビやてんさいの汁を煮詰める
- 遠心分離機で蜜を取り除く
- 結晶だけを取り出して乾燥・精製する
ショ糖の純度が高く、クセが少なくて扱いやすいのが魅力です。
📌 図解イメージ:含蜜糖と分蜜糖の製法フローを左右比較
栄養価の違いは?ミネラルは本当に含まれている?
含蜜糖には、製法の違いから微量ながら以下のミネラルが残っています。
- カルシウム
- カリウム
- マグネシウム
- 鉄分
これらは「美容や健康にいい」と注目されがちですが、1日に摂る砂糖の量から見るとごく微量です。
一方、分蜜糖は“ショ糖のかたまり”。栄養素はほぼ含まれていませんが、味の安定感と料理へのなじみやすさは抜群です。
📌 ポイント:「砂糖でミネラルを摂る」のは目的としておすすめできません。野菜や海藻、豆類から摂るのが現実的です。
料理でどう使い分ける?コクや溶けやすさの違い
それぞれの砂糖の特性を活かせば、料理の仕上がりに差が出ます。
シーン | 含蜜糖(黒糖・きび糖など) | 分蜜糖(上白糖・グラニュー糖など) |
---|---|---|
煮物 | 深いコクと風味が出る | あっさりした仕上がりに |
照り焼き | 色と照りが出やすい | 色づきは控えめ |
お菓子 | 素朴で自然な甘さ | 甘さが安定し、レシピ通りに仕上がる |
飲み物 | 香りにクセがある場合も | 溶けやすくスッキリした味わい |
血糖値への影響って違うの?
実は、含蜜糖と分蜜糖で血糖値の上昇スピードに大きな差はありません。
いずれも高GI食品とされ、摂りすぎれば血糖値を急上昇させます。
ただし、以下のような微差があると言われています。
砂糖の種類 | GI値の目安 | コメント |
---|---|---|
グラニュー糖 | 約65 | 比較的ベーシックな甘さ |
黒糖(含蜜糖) | 約70〜74 | わずかに高めのケースも |
このように、「含蜜糖のほうが血糖値にやさしい」とは一概には言えません。
糖は糖。気になる人は“摂らない選択”もあり!
血糖値や体質、ダイエットを気にする方には、「そもそも砂糖を控える」視点もおすすめです。
私自身も、ケトジェニックダイエットをしていた時期があり、完全に砂糖ゼロの生活を送っていました。
この食事法は糖質を極力カットし、代わりに脂質をエネルギー源とするものです。
- 血糖値の急上昇を避けたい
- 甘いものへの依存をリセットしたい
- 慢性的なだるさを改善したい
こんな方には、「砂糖を減らす」「ゼロにしてみる」選択も一度体験してみる価値はあります。
ママたちが知っておきたい“選び方の視点”
ここまでのポイントを表でまとめてみました。
視点 | 内容 |
---|---|
製法 | 含蜜糖=蜜ごと、分蜜糖=蜜を分離して結晶だけ |
栄養価 | 含蜜糖は微量ミネラルあり。分蜜糖は純粋なショ糖 |
血糖値 | どちらも高GI。違いはあっても“わずか” |
糖質制限 | 気になる人は思い切って“砂糖ゼロ”の選択もあり |
実践視点 | 家庭や目的に合わせて、複数の砂糖を使い分けるのが◎ |
まとめ 〜砂糖と上手に付き合うために〜
「黒糖がいい」「白砂糖はだめ」
そんな一面的な評価ではなく、それぞれの特徴を知って、目的に応じて選べるのが“賢い砂糖の選び方”です。
砂糖を変えるだけで、いつものおかずやお菓子が驚くほど味わい深くなったり、子どもが新しい味に興味を持ったりします。
もし、糖との付き合い方を見直したいと思ったら──
まずは、キッチンの砂糖を一度見直してみませんか?