赤ちゃんの成長において、母乳やミルクから固形食への移行は重要なステップです。WHO(世界保健機関)は、赤ちゃんの健康的な発育を促すための「補完食」のガイドラインを示しています。本記事では、補完食の基本概念や実践方法、健康的な食習慣を身につけるためのポイントについて詳しく解説します。
補完食とは?
補完食とは、母乳やミルクだけでは不足しがちな栄養を補うために赤ちゃんに与える固形食のことを指します。日本では「離乳食」と呼ばれることが一般的ですが、WHOの補完食の考え方は、赤ちゃんの栄養状態や発育に応じた柔軟な進め方を推奨しています。
補完食を始めるタイミング
補完食の開始時期は、生後6か月頃が推奨されています。その理由は以下の通りです。
- 母乳やミルクだけでは十分な栄養を補えなくなる。
- 赤ちゃんの消化機能が発達し、固形食を消化・吸収できるようになる。
- 自発的に食べ物に興味を示し、口に運ぼうとする行動が見られる。
ただし、赤ちゃんの成長には個人差があるため、食事の進め方は柔軟に対応することが大切です。
補完食の基本原則
母乳育児の継続
補完食を始めても、母乳やミルクは引き続き重要な栄養源です。WHOでは、2歳までの授乳を推奨しており、特に1歳未満では母乳がエネルギーと栄養の重要な供給源となります。

補完食が「離乳」食と明確に異なるニュアンスをもっているのがこの部分です。
離乳に向けた食事、とはちょっと違うのですよね。私はこの表現にとても助けられました。妙に安心できて、気持ちがラクになったものです。
食事の多様性
赤ちゃんの栄養バランスを整えるために、さまざまな食品群を取り入れることが重要です。
- 鉄分を多く含む赤身の肉や魚
- ビタミン豊富な野菜や果物
- 良質な脂肪を含むナッツペーストやオリーブオイル
適切な食事の頻度と量
WHOの推奨では、補完食を始めたばかりの頃は1日2~3回、徐々に5回程度に増やしていきます。赤ちゃんの食欲に応じて量を調整しましょう。
レスポンシブ・フィーディング(応答的な授乳)
赤ちゃんの空腹や満腹のサインを見極め、それに応じた適切な量の食事を提供することが重要です。
避けるべき食品
赤ちゃんの健康を守るため、以下の食品は避けるようにしましょう。
- 塩分や糖分の多い加工食品
- ハチミツ(乳児ボツリヌス症のリスク)
- 生卵や生魚(食中毒のリスク)
栄養補助食品と強化食品の利用
一部の赤ちゃんは鉄分不足になりやすいため、鉄分強化食品やサプリメントの利用を検討することも選択肢の一つです。医師と相談の上、適切な栄養補助を行いましょう。
忙しいママのための簡単レシピ
鶏ひき肉と野菜のリゾット
- 材料:鶏ひき肉(30g)、にんじん(10g)、ほうれん草(10g)、おかゆ(50g)
- 作り方:
- 野菜を細かく刻み、茹でる。
- 鶏ひき肉を炒め、茹でた野菜と混ぜる。
- おかゆに加えて混ぜ合わせる。
さつまいもと豆腐のペースト
- 材料:さつまいも(50g)、絹ごし豆腐(20g)
- 作り方:
- さつまいもを茹でて柔らかくする。
- 豆腐と混ぜてペースト状にする。
よくある質問とその回答
Q. 食物アレルギーが心配です。
A. アレルギーリスクのある食品(卵・乳製品・小麦・ナッツなど)は医師と相談しながら慎重に進めましょう。
Q. 食事をあまり食べてくれません。
A. 無理に食べさせず、赤ちゃんの興味を引くような食材や食べ方を試しましょう。
まとめ
補完食は赤ちゃんの成長に欠かせないステップです。WHOのガイドラインを参考にしながら、無理なく進めることが大切です。健康的な食習慣を身につけるためにも、ママ自身がリラックスしながら赤ちゃんと楽しく食事の時間を過ごすことを心がけましょう。
最後に余談ですが、私が補完食という考え方とWHOが2歳まで授乳を推奨しているという事実を知るきっかけとなったのがこちらの本です。日本式の育児にモヤモヤするところがある方は特に、「育児をしながら勉強している自分はなんてえらいんだ。」そう思いながら、ぜひ読んでみてください。少しだけラクになったり、頭と気持ちの整理ができたりするかもしれません^^
コメント